令和3年度

宣言

 豊かな自然に恵まれた群馬県の町村は、国土や自然環境の保全はもとより、国民生活にとってかけがえのない水や食料を安定的に供給する公益的機能を果たすとともに、住民との距離が近い町村の長所と地域資源を活かし、住民の誰もが居場所と出番がある幸福度の高い理想の自治体への道を着実に歩んでいる。

 しかしながら、多くの町村においては、人口減少社会の到来や若者の都市部への流失により過疎化や高齢化が進行し、基幹産業である農業の担い手不足問題等にも直面している。

 また、頻発化する自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大は、住民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼしている。

 このような状況において、我々群馬県の町村議会は、持続可能な地域社会を維持するため、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図るための議会活動を展開する。

 さらに、町村議会を取り巻く諸問題の解決のため、議会の機能強化及び多様な人材が議会に参画するための環境を整える活動を行うとともに、リモート化の進展による「快疎」なデジタル社会・脱炭素社会の実現に向け、町村の特長や地域の潜在力を最大限に活かした住民の幸福度をさらに高める政策を提案しながら、町村の子供たちが我が町・我が村に愛着と誇りを持てる町づくり・村づくりに全力で邁進することをここに誓う。

 以上、宣言する。

  令和4年2月17日

群馬県町村議会議長会定期総会

 

決議

 町村は、自主財源の乏しい中、自ら徹底した行財政改革を断行し、感染症対策はもとより、少子・高齢社会への対応、生活関連社会資本の整備、教育・文化の振興、農林業の振興、資源循環型社会の構築、国土保全など住民の生活と福祉の向上のため、直面する諸課題に積極的に取り組んでいるが、依然として厳しい財政運営を余儀なくされている。

 また、町村議会は、地域が抱える様々な課題の解決に向け、住民の意思を反映する意思決定機関として精力的に活動しているが、一方で深刻化する議員のなり手不足を克服し、多様な人材が議員として参画することが求められており、そのためには議会が自主的な取組みを積極的に展開し、議会の魅力を高め、住民の理解と信頼の向上に一層取り組むとともに、志を抱く誰もが議員に立候補し活躍できる環境を整えることが必要である。

 こうした中、町村及び町村議会が、自主性を発揮し、地方創生を更に推進していくには、制度面及び財政面の両面において、基盤を強化することが必要不可欠である。

 よって、政府及び国会議員各位におかれては、下記事項の実現を図るよう、強く要請する。

一.新型コロナウイルス感染症対策に、引き続き万全を期すこと。

一.町村の実情に沿ったきめ細やかな行政サービスを十分担えるよう、町村の安定的な財政運営に必要な地方交付税等の一般財源総額を確実に確保・充実すること。

一.人口減少の克服と地方創生のため、町村が自主性・独自性を発揮し、様々な施策を着実に進めることができるよう、まち・ひと・しごと創生事業費を継続し、拡充すること。

一.議会が住民の代表機関として適切な役割を果たすため、議会の機能強化及び多様な人材が参画するための環境を早急に整備すること。

一.地方議会に課せられている団体意思の決定及び執行機関の監視の使命を全うできるよう、地方議会議員が日常的に住民の声を広く聴取し、議案審議、政策立案、行財政の監視及び調査研究等に努める旨を地方自治法に規定すること。

一.国民の幅広い政治参加や地方議会における多様で有為な人材確保の観点から、厚生年金への地方議会議員の加入のための法整備を早急に実現すること。

 以上、決議する。

  令和4年2月17日

群馬県町村議会議長会定期総会