令和2年度

宣言

 豊かな自然に恵まれた群馬県の町村は、国土や自然環境の保全はもとより、国民生活にとってかけがえのない水や食料を安定的に供給する公益的機能を果たすとともに、住民との距離が近い町村の長所と地域資源を活かし、住民の誰もが居場所と出番がある幸福度の高い理想の自治体への道を着実に歩んでいる。

 しかしながら、町村では過疎化や高齢化が深刻な問題となっており、基幹産業である農林業の担い手不足により地域の活力が失われつつある。

 また、近年の頻発化・激甚化する自然災害に加え、昨年春からの新型コロナウイルス感染症の脅威が、住民の社会経済生活に甚大な影響を及ぼし続けている。

 我々群馬県の町村議会は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図るための議会活動を展開するとともに、感染者やその家族及び医療従事者等が不当な誹謗中傷や差別を受けることのないよう議会としての責務を果たしていく。

 さらに、直面する課題に積極果敢に取組み、住民と共に、町村の特長や地域資源等の潜在力を最大限に伸ばし、住民の幸福度をさらに高める政策を提案しながら、町村の子供たちが我が町・我が村に愛着と誇りを持てる町づくり・村づくりに全力で邁進することをここに誓う。

 以上、宣言する。

  令和3年2月16日

群馬県町村議会議長会定期総会

 

決議

 町村は、自主財源の乏しい中、自ら徹底した行財政改革を断行し、新型コロナウイルス感染症への対応はもとより、少子・高齢社会への対応、生活関連社会資本の整備、教育・文化の振興、農林業の振興、資源循環型社会の構築、国土保全などの諸課題に積極的に取り組んでいるが、依然として厳しい財政状況が続いている。

 一方で、町村議会においては、議員のなり手不足が深刻化しており、より幅広い層の住民が議員として参画することが求められているが、そのためには、議会が自主的な取組みを積極的に展開し、議会の魅力を高め、住民の理解と信頼の向上に一層取り組むとともに、志を抱く誰もが議員に立候補し活躍できる環境を整えることが必要である。

 こうした中、町村及び町村議会が、自主性を発揮し、新型コロナウイルス感染症への対応及び地方創生を積極的に進めていくには、制度面及び財政面の両面において、基盤を強化することが必要不可欠である。

 よって、政府及び国会議員各位におかれては、下記事項の実現を図るよう、強く要請する。

一.新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立の実現に向けた対策に万全を期すこと。

一.町村の実情に沿ったきめ細やかな行政サービスを十分担えるよう、町村の安定的な財政運営に必要な地方交付税等の一般財源総額を確実に確保・充実すること。

一.人口減少の克服と地方創生のため、町村が自主性・独自性を発揮し、様々な施策を着実に進めることができるよう、まち・ひと・しごと創生事業費を継続し、拡充すること。

一.議会が住民の代表機関として適切な役割を果たすため、議会の機能強化及び多様な人材が参画するための方策を早急に実現すること。

一.地方議会議員が、地方議会に課せられている団体意思の決定及び執行機関の監視の使命を全うできるよう、日常的に住民の声を広く聴取し、議案審議、政策立案、行財政の監視及び調査研究等に努める旨を地方自治法に規定すること。

一.国民の幅広い政治参加や地方議会における多様で有為な人材確保の観点から、厚生年金への地方議会議員の加入のための法整備を早急に実現すること。

 以上、決議する。

  令和3年2月16日

群馬県町村議会議長会定期総会