平成28年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 美しい自然に恵まれた群馬県の町村は、国土・景観の保全や文化・伝統の継承はもとより、食料の供給、水源かん養、自然環境の保全等の公益的機能も果たし、国民生活にとって極めて大きな役割を果たしている。

 そして、住民との距離が近い町村の長所と地域資源を活かし、住民自治の充実自治体として、住民の誰もが居場所と出番がある幸福度の高い理想の自治体への道を着実に歩んでいる。

 このような国民一人ひとりにとって、かけがえのない財産であり、日本人の「心のふるさと」である町村を明日の世代、そして新たに生まれてくる世代に引き継いでいくことも我々町村長の責務である。

 現在、国においては、一億総活躍社会の実現に向けた取組が行われているところであるが、町村の価値や魅力のさらなる向上策、子育て環境の充実、都市との共生策など、我々が進めている地方創生の取組は、まさに一億総活躍社会の実現につながるものである。

 我々は、基幹産業である農業や観光の振興はもとより、再生可能エネルギーの蓄積や災害時のバックアップ機能など新たな価値や限りない潜在力を踏まえ、各町村の個性と長所を活かして地域経済の充実や都市との共生を図り、住民の満足度・幸福度をさらに高めるため、果敢に行動していく。

 さらに、県内町村間の絆や連携を一層深め、自然災害等の非常時においては、友愛と相互扶助の精神の下、被災住民の安全・安心を確保するため、各町村が一致団結して被災自治体への支援に全力を尽くすことをここに誓う。

 以上、宣言する。

  平成29年2月16日

群馬県町村会定期総会

決議

 我が国が直面している少子化への対応は、国と地方が連携・協力して総力を挙げて取り組むべき国家的課題であり、我々群馬県の町村としても真正面からこの課題に取組んでいる。

 地方創生の実現には、ソフト・ハード両面にわたる基盤づくりのための国の主体的な政策が不可欠であり、国にあっては、教育、社会保障から税制まで少子化対策に係る制度を抜本的に見直すほか、均衡ある国土形成のためのインフラ整備など本来の国の役割をしっかりと担っていくべきである。

 都市と農山村が共生する「一億総活躍社会」の実現のため、政府及び国会議員各位におかれては下記事項の実現を図るよう、強く要請する。

一.均衡ある国土形成のため、国は「選択と集中」政策ではなく、地域間格差の是正に取り組み、地域間のアクセス改善といった社会基盤整備や子ども医療費の無料化など、ナショナルミニマムとして国が担うべき役割を十分に果たすこと。

一.地方交付税については、財源保障機能及び財政調整機能の両機能を堅持するとともに、いわゆるトップランナー方式が導入されたが、そもそも行政コストの差は、人口や地理的条件など歳出削減努力以外の差によるところが大きく、一律の行政コスト比較にはなじまないことや、中山間地域などでは民間委託そのものが困難なところもあるなど実態は様々であることから、そうした実態を踏まえ、町村の財政運営に支障を生じないよう十分配慮すること。

一.安心して子供を産み育てることができるよう、将来を担う子供の教育に係る親の負担を国費により大幅に軽減すること。

一.環太平洋パートナーシップ(TPP)については我が国においては国会承認されたが、町村における基幹産業である農業や国民生活を支える役割を担う農山村が、将来にわたり持続的に発展していけるよう、万全の対策を講じること。

一.市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め国民が等しく負担を求めることを基本とする森林環境税(仮称)を早期に創設すること。

一.CLT(直交集成板)の普及など新たな木材需要の創出、国産材の安定的・効率的な供給体制の構築等により、林業の成長産業化を促し、人口減少が進む山村地域に産業と雇用を創出すること。

 以上、決議する。

  平成29年2月16日

群馬県町村会定期総会

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