平成27年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 美しい自然に恵まれた群馬県の町村は、国土や景観の保全はもとより国民生活にとってかけがえのない水や食料を安定的に供給する公益的機能を果たしながら、住民同士が助け合い、地域の伝統・文化を守り、「住民自治の充実自治体」として、住民が生き甲斐と誇りを持てる幸福度の高い理想の自治体への道を着実に歩んでいる。 

 しかしながら、少子化及び高齢化の急速な同時進行により、農山村地域に所在する町村では、合計特殊出生率は東京などの都市地域に比べ総じて高い水準を維持しながらも、人口減少の克服に向け適切に対応しなければならない状況となっている。

 この大きな課題に対し、国主導により「地方創生」政策が進められているが、本県の町村は、長年その個性と特長に応じて地道に取り組んできた地域振興策を重視しつつ、潜在力を最大限に伸ばしていかなければならない。

 我々群馬県の町村は、田園回帰がブランド化しつつある中で、基幹産業である農業や観光の振興はもとより、再生可能エネルギーの蓄積や災害時のバックアップ機能など農山村の新たな価値や潜在力を踏まえ、各町村の個性と長所を活かして人口減少の克服を図るとともに、都市と農山村が「共生」しうる社会を構築し、住民の幸福度をさらに高めるため、果敢に行動していくことをここに誓う。

 以上、宣言する。

  平成28年2月9日

群馬県町村会定期総会

決議

 我が国が直面している少子化への対応は、国と地方が連携・協力して総力を挙げて取り組むべき国家的課題であり、我々群馬県の町村としても真正面からこの課題に取組んでいる。

 地方創生の実現には、ソフト・ハード両面にわたる基盤づくりのための国の主体的な政策が不可欠であり、国にあっては、教育、社会保障から税制まで少子化対策に係る制度を抜本的に見直すほか、均衡ある国土形成のためのインフラ整備など本来の国の役割をしっかりと担っていくべきである。

都市と農山村が共生する「一億総活躍社会」の実現のため、政府及び国会議員各位におかれては下記事項の実現を図るよう、強く要請する。

一.均衡ある国土形成のため、国は「選択と集中」政策ではなく、地域間格差の是正に取り組み、地域間のアクセス改善といった社会基盤整備や多子世帯への支援など、ナショナルミニマムとして国が担うべき役割を十分に果たすこと。

一.地方交付税については、財源保障機能及び財政調整機能の両機能を堅持するとともに、いわゆるトップランナー方式を含む地方歳出の効率化を議論する場合は、条件不利地域等、地域の実情に配慮するとともに、多くの地方自治体が実施可能な合理的なものとすること。

一.現在、すべての地方自治体において子どもの医療費助成が行われているが、子どもの医療費助成等の地方 単独事業を実施している市町村に対する国民健康保険の国庫負担減額調整措置については、極めて不合理な措置であることから直ちに廃止すること。また、国の制度として、子ども医療費の無料化を実施すること。

一.安心して子供を産み育てることができるよう、将来を担う子供の教育に係る親の負担を国費により大幅に軽減すること。

一.環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の大筋合意にあたり、町村における基幹産業である農業や国民生活を支える役割を担う農山村が、将来にわたり持続的に発展していけるよう、万全の対策を講じること。

一.森林・林業・山村対策の抜本的強化の重要性をより明確にする観点から、二酸化炭素排出源を課税対象とする「全国森林環境税」を創設すること。

一.CLT(直交集成板)の普及など新たな木材需要の創出、国産材の安定的・効率的な供給体制の構築等により、林業の成長産業化を促し、人口減少が進む山村地域に産業と雇用を創出すること。

 以上、決議する。

  平成28年2月9日

群馬県町村会定期総会

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