平成18年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 今や瑞穂の国、美しい国日本を象徴する農山村は、平成の市町村大合併により、その活力を失い、さらなる疲弊と衰退が懸念されている。

 それは、地方自治の本来の姿であるべき「住民自らの地域への関わり、行政との連帯意識」が希薄になること、さらには財政基盤の脆弱な町村にとって地方交付税制度の見直しを始めとする地方財政圧縮の動きが憂慮されていることである。

 このような情況は、都市部と町村部の地域間格差が更に拡がり、同じ日本国民でありながら福祉行政、生活基盤の整備といった点で差別を受けるという苟も文化国家にあるまじき事態を迎えることとなる。

 今日、わが国政府は財政危機を理由に歳出削減に余念がないが、国の末梢神経、前線基地とも言うべき町村の役割と意義についての認識を誤るならば「美しい国 日本の再生」は机上の空論、儚い夢と散るに違いない。

 わが国民の故郷がここに至り、瀕死の事態に直面しているのは国際競争の名の下に経済優先、効率第一主義が生み出した結果であり、斯かる情況が続くならば山里に住む人はなくなり、人々の心を癒す絵のような日本の風景は失われる。

 苦境に立たされている町村の最前線にあって、我が国と国民の未来を常に考え行動する我々にとっての最大の責務は、この故郷を子々孫々に繋ぐことである。

 今わが国が抱える多くの問題の解決の道は、小さくても輝く町村の存在と自然との共生こそ、生命の存続の原点であることを知ることにあると信じる。

 我々町村長は、人間社会に不可欠な人と人との繋がり・連携を一層強固なものとし、そこに住む人々が故郷への愛着と誇りを持てるよう、活力と個性溢れる町村の建設に邁進することをここに誓う。

 以上、宣言する。

  平成19年2月15日

群馬県町村会定期総会

決議

 今日、我が国の町村は、農林業の衰退、少子高齢化の進行及び地方経済の低迷並びに国家財政のためのリストラ「平成の大合併」の標的にされ、窮地に追い詰められている。

 「国土の均衡ある発展」から「自治体間の競争原理の導入、自己決定・自己責任」への方針大転換は、財政効率のみを重視し、行政運営を自由主義経済原則に当て嵌め、国民生活の不均衡を容認し放置することになった。

 殊にこの影響を強く受ける町村の数はかつての4割にまで減少したとは言え、その面積は国土の4割を超える状況にあり、国土を支え、国民の生存を支えている町村の多面的な機能を軽視した今日のような町村切り捨ての政策が継続されるならば、国体そのものの崩壊が危倶される。

 我々群馬県の町村長は、健全な国家を支える地域社会を担う責任者として、国家運営において絶大な権限と責任を有する国会議員諸公に対し、下記事項を真摯に受け止めて頂き、日本国の弥栄と子々孫々に亙る美しい郷土の伝承に全力を尽くされるよう要請する。

1.地方交付税制度の堅持及び充実強化

2.小規模町村の存立の確保

 以上、決議する。

  平成19年2月15日

群馬県町村会定期総会

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