平成17年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 今日、我が国は、国・地方を通ずる財政の逼迫や米国の圧力を背景として、市場原理及び効率主義の下、市町村合併の推進、三位一体の改革、公営事業の民営化及び企業の統合等に力が注がれ、ひたすらアメリカ型の「競争社会」へ突き進んでいる。

 しかし、明るい将来への展望は開けず、「競争社会」がもたらす金銭至上主義や自己中心主義による「日本固有の道徳意識」の荒廃により、家庭崩壊や学校崩壊が進行するとともに、弱者が被害者になる詐欺や凶悪事件が頻発する、安全や安心から程遠い社会が進行している。

 かつて我が国が他国から評価され尊敬の対象になったものは、「独立不羈」、「日本固有の道徳意識」及び「美しい田園」であり、そこから生まれる「家族の絆」、「郷土の絆」及び「国民の絆」を強化することこそ国が栄える源である。

 我々町村は、現在、一部の国会議員やマスコミの認識不足による地方交付税の削減に向けた見直し論に直面しているが、「美しい田園」や「郷土の絆」の維持をはじめ、食料供給、大気浄化、水源涵養、国土保全や都市住民の保養機能など国民の生存を支える重要な役割を果たしている。

 国土の均衡ある発展こそ健全な国家に繋がるとの理念の下、地方交付税のもつ財政調整機能及び財源保障機能の堅持について国民の理解を求めるとともに、地域住民がさらに強い連帯意識や協力の心を持てる自治体の建設を目指し、その使命達成のため全力を尽くすことをここに誓う。

 以上、宣言する。

  平成18年2月16日

群馬県町村会定期総会

決議

 我が国は、今後ますます進む少子高齢化により、働く世代の減少に加え、高齢者に係る年金や医療費等の社会保障費が急速に増加することが見込まれている中、1時間に約10億円の利子が付く国債残高により元利返済の負担がますます重くなってきている。

 このような国家財政及び地方財政の危機的状況下において、この事態を乗り切るには、国民の負担増は避けられず、先送りの許されない増税について、国民の同意を得るためには、国においては、国会議員の定数半減をはじめとして、国家公務員の天下りの禁止等、行財政改革の範を早急に国民に示さなければならない。

 本会が訴え続ける「政の任に当たる者、社会のリーダーたる者は自ら範を示せ」という価値観は、今まさに具体的な形とすべきであり、国会議員や国家公務員が範を示すことこそ増税の大前提である。

 町村においては、地方交付税が削減されていく中で、既に、議会議員及び職員の定数削減や特別職の給与カット等により行政コストの抑制を図り、更には合併による町村の消滅という大きな痛みを背負いながら自治運営に苦心惨憺しているところである。

 群馬県町村会は、総意をもって国権の最高機関の構成員である国会議員諸氏の英断により下記事項が実現されるよう重ねて要請する。

1.国会議員の定数を速やかに半減すること。

2.国民の国政に対する不信の要因となっている衆議院議員選挙の選挙区及び比例区の並立制を廃止すること。

3.国家公務員の天下りを禁止すること。

4.地方交付税制度は財政力の脆弱な町村が存立するために不可欠な制度であるとともに、健全な国家存立の基盤の確保という崇高な使命を持つ制度として、この堅持及び充実強化を図ること。

 以上、決議する。

   平成18年2月16日

群馬県町村会定期総会

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