平成14年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 我が国は、第二次世界大戦の後、国民主権、恒久平和、基本的人権の尊重を新憲法の柱に据え、高度経済成長という幸運にも恵まれ、稀に見る順調な歴史を刻んで来た。

 しかし、今日の我が国は、経済の低迷はもとより内政、外交、防衛、教育、治安、秩序、道義の何れもが危機的情況に陥り、希望を失う混迷深める社会を創り出してしまった。この様な中、政府は国家立て直し策として構造改革を提唱し実行に移そうとしているが、殊に地方制度、地方財政に関する対応は、地方分権一括法が施行されたにも拘わらず、従前の上意下達手法から脱却することなく、市町村合併推進策に見られるように金銭による誘導や小規模町村の権限縮小を仄めかすなど姑息な手段が展開されている。

 真に健全な環境の持続発展を期す為には一時的な対処手法に頼っては後顧の憂いを残すこととなるので、今日の改革の手法は、国民の力を結集し国家の再建を図ろうとする説得がない。かつて貧困にあっても礼節を失わず勤勉実直に生きた国民を擁する国家の姿としては、余りにも憂慮すべき事態に立ち至っており、これを健全な状態に回復するには、国政を担う人々の公僕に徹する覚悟と自らの痛みを国民に示す以外に道はないと思料する。

 このときにあたり、国の礎は町村であるとの認識のもと、我々町村長は、意を決し、政府並びに関係方面に対し積極的に行動し、国家を支えるに相応しい自治体を目指し、全力を注ぐことをここに誓う。

 以上、宣言する。

  平成15年2月18日

群馬県町村会定期総会

緊急決議

 我が国では、経済低迷の中で行財政運営の見直しが喫緊の課題とされ、様々な改革が実施に移されようとしている処である。

 わけても我々町村を廻る動きは、行政コストの削減を目的に、本来、住民が内発的な自己決定により行うべき市町村合併を合併特例債、諸補助金等の誘導策や合併しない町村への財政的締め付けにより推進を図り、更には小規模町村の行政権能縮小論など憲法に掲げる地方自治の本旨を逸脱する論議まで横行する事態に至った。

 国家の繁栄と豊かな郷土を子孫に伝えることは善良な国民が等しく願うところであり、その目的を達成するためには国民としての義務の履行はもとより、「政」の任にあたる者は公の利益を前にして己の犠牲を当然のことと我々は心得る。

 ところが、今日の国政を担い国家の繁栄と国民の安全と生存について全責任を負うべき者が国民の「信」を得るに価する深慮遠望と真摯な行動の下、天命に背かざる義務を果たしているや否や。

 内政、外交、防衛、経済、教育、治安、秩序、道義。何れにおいても国家存亡の危機を思わざるを得ない状況の中で、地域社会の明日のあるべき姿を求めて市町村合併を真剣に考え苦慮する我々町村長の思いは、国政を担う者の覚悟の表明及び国政コストの削減なくして道は開かれないと認識するものである。

 国難の克服は国民一人ひとりの国家及び地域社会への義務の意識を育て、自らを律する精神の涵養こそ本道であり、国民が一丸となって国の未来を切り開く為には、下記事項から実行するに如かずとの思いの下、我々は、国家を担う者に次のことを求める。

1.国会議員の定数を削減し、選良の府としての質実強化に努めること。
衆議院議員 定数を半減し、比例選挙区制度を廃止すること。
参議院議員 定数を半減すること。

2.地方自治の本旨に背く小規模町村の権限縮小の愚を犯さぬこと。

3.地方交付税の財政調整機能、財源保障機能を堅持するとともに、町村税財源の充実確保を図ること。

 以上、決議する。

   平成15年2月18日

群馬県町村会定期総会

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