令和元年度本会定期総会における宣言及び決議

宣言

 群馬県の町村は、食料の供給や水資源の涵養、国土の保全など、国民の生存を支える重要な役割を担うとともに、我が国の持続的な発展をも担うという極めて大きな役割を果たしている。

 また、町村という小規模自治体であるがゆえに、地域全体を見渡し、住民ニーズをきめ細かく捉え、地域の多様性を生かし、知恵を絞り工夫を凝らしながら、住民と協働した町づくり・村づくりを進め、活気ある地域社会づくりを目指す努力を重ねている。

 一方で、近年、頻発化・激甚化・広域化する自然災害により、住民生活や地域経済は、計り知れない多大な影響を被っている。

 安全・安心な地域づくりは、活気ある地域社会の根幹を成すものであることから、住民の生命・財産を守るため、防災・減災対策の一層の強化を図り、更なる地域防災力の向上にも取り組まねばならない。

 しかしながら、急速な少子高齢化、深刻な人口減少による地域活力の低下に加え、税源に乏しく脆弱な財政基盤、基幹産業である農林業の衰退など、町村を取り巻く環境は、極めて厳しい状況である。

 我々群馬県の町村長は、この厳しい状況に臆することなく、相互の連携を一層強固なものとし、直面する課題に積極果敢に取り組み、地域特性や地域資源を活かした施策及び田園回帰の流れを加速させる施策を展開し、豊かで希望に満ちた住民生活と個性溢れる多様な地域づくりに専心するとともに、町村の子供たちが我が町・我が村に「愛着」と「誇り」を持てる町づくり・村づくりに全力で邁進することをここに誓う。

 以上、宣言する。

  令和2年2月14日

群馬県町村会定期総会

決議

 町村では、文化・伝統の継承はもとより、食料の供給、水源涵養、自然環境の保全等、国民生活にとって極めて大きな役割を果たしている。

 このような国民共有のかけがえのない財産であり、日本人の「心のふるさと」でもある町村を次世代に引き継いでいくことが、我々町村長の責務である。

 そのためには、町村の財政力をさらに高め、都市と農山村が「共生」しうる社会を強力に推し進め、国と地方が一体となって、一億総活躍社会の実現に向けた更なる地方創生を実現していくことが重要である。

 よって、町村が、自主性・自立性を発揮し、創意工夫を凝らしながら、活気ある安全安心な地域づくりや現場からの地方創生を力強く推進していくため、政府及び国会議員各位におかれては下記事項の実現を図るよう、強く要請する。

一.令和元年台風第19号により被災した町村が早期に復旧・復興できるよう、国庫補助金や特別交付税をはじめとした地方財政措置による十分な財政支援及び被災者の生活再建に向けた十分な支援を引き続き講じるとともに、激甚化・広域化する自然災害に対する全国的な防災・減災対策を強化すること。

一.一億総活躍社会の実現に向け、町村が進める地方創生の取組の更なる推進に向け、制度的にも財政的にも十分な支援を行うこと。

一.町村が自主性・自立性を発揮し様々な施策を着実に実施していくためには、継続的に安定した自主財源の確保が必要なため、地方交付税率の引上げを含めた抜本的な見直しを行うこと。また、「まち・ひと・しごと創生事業費」を拡充・継続するなど、地方交付税等の一般財源の総額を確実に確保すること。
 
一.移住や定住のみならず農山村地域に多様な関わりを持つ人々(関係人口)の拡大に向けた取組を支援し、田園回帰を一層促進すること。

一.CSF(豚熱)については、関係省庁による連携の下、総合的な対策の強化及び対策に係る財源を確保し、風評被害対策に万全を期すこと。また、現在海外で感染が拡大しているASF(アフリカ豚熱)の国内侵入を防止するため、検疫体制や消毒措置等の水際対策の徹底を図ること。

一.国産木材の一層の需要拡大・利用促進による林業の振興を図ること。

一.令和3年3月末日をもって期限切れとなる過疎地域自立促進特別措置法については、これまでの過疎地域の努力と役割を踏まえた振興が図られるよう、現行法に引き続き、総合的な過疎対策を推進するための新たな法律を制定すること。

一.新たな圏域行政は、周縁部町村の自立とは反対に、町村を衰退に追い込む危険性をはらみ、町村の自治権を弱体化させるものであることから、推進しないこと。

 以上、決議する。

  令和2年2月14日

群馬県町村会定期総会

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