令和3年度定期総会における宣言及び決議

宣 言

 豊かな自然に恵まれた群馬県の町村は、国土保全や脱炭素化はもとより、国民生活にとってかけがえのない水や食料を安定的に供給する公益的機能を果たすとともに、住民と行政との距離が近い長所と地域資源を活かし、住民の誰もが居場所と出番がある幸福度の高い理想の自治体への道を着実に歩んでいる。
 新型コロナウイルス感染症については、国及び県と心をひとつにして、住民の命と健康を守るため、収束に向けた対策に全力で取り組んでいる。
 私たちがコロナ禍から学び、コロナ後社会に向けて行動するうえで、東京一極集中の是正は必須である。地方分散型の国づくりにより感染症や大規模災害等に的確かつ柔軟に対応し、持続可能で安全安心な地域社会を再構築しなければならない。
 このような状況の中、コロナ禍による「新しい日常」への転換が仕事のリモート化等の進展や人々の意識・価値観の変化をもたらしており、安全安心のベースになる「ゆとりのある生活空間」が充分にあり、自然景観や温泉に恵まれた「快疎」な本県の町村は、その魅力が格段に高まっており、移住先として期待されている。
 一方、地球温暖化による大規模自然災害を頻発化させないためにも、脱炭素社会を実現しなければならない。本県の町村は、再生可能エネルギーをはじめ地域資源の宝庫であり、環境との調和・共生を図りながら、その潜在力を最大限に活かすことは、地方創生を推進する観点からも極めて重要である。
 我々群馬県の町村長は、相互の連携を一層強固なものにしながら、東京一極集中の是正及び脱炭素社会の実現に向け、地域特性や地域資源を活かした住民の幸福度をさらに高める施策を展開し、災害や感染症に強い安全・安心な郷土づくりをさらに進めるとともに、町村の子供たちが我が町・我が村に愛着と誇りを持てる町づくり・村づくりに全力で邁進することをここに誓う。

 以上、宣言する。

  令和4年2月15日

                              群馬県町村会定期総会 

決 議

 町村は、文化・伝統の継承はもとより、食料の供給、水源涵養、国土や自然環境の保全、脱炭素化等、国民生活にとって極めて大きな役割を果たしている。
 このような国民共有のかけがえのない財産であり、日本人の「心のふるさと」でもある町村を次世代に引き継いでいくことが、我々町村長の責務である。
 そのためには、町村の財政力を高め、東京一極集中の是正と地方創生推進による分散型国づくりに取り組み、都市と農山村が共生する持続可能な社会を確立していくことが必要である。
 よって、都市と農山村が共生する安全・安心で持続可能な社会の実現に向け、町村が自主的・自律的に様々な施策を展開できるよう、政府及び国会議員各位におかれては、下記事項の実現を図るよう強く要請する。

一.新型コロナウイルス感染症の徹底した感染防止対策と万全な経済対策の実施を図ること。

一.全国的な防災・減災対策、国土強靱化を推進すること。

一.地方創生推進交付金、「まち・ひと・しごと創生事業費」等を拡充するとともに、町村にとって命綱である地方交付税等の一般財源総額を確保すること。

一.地方の情報通信基盤の整備を加速化し、デジタル社会を推進すること。

一.地方分権改革をさらに推進すること。

一.地域からの脱炭素化推進を支援すること。

一.田園回帰の時代を拓き、都市と農山村の共生社会を実現すること。

一.農林業の振興による農山村の再生・活性化を図ること。

一.CSF(豚熱)については、総合的な対策の強化及び対策に係る財源を確保し、風評被害対策に万全を期すこと。

一.国産木材の一層の需要拡大・利用促進による林業の振興を図ること。

 以上、決議する。

  令和4年2月15日

群馬県町村会定期総会 

 

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