平成17年3月10日
群馬県市町村総合事務組合管理者
我が国では年々少子化が進んでいるため、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、育てられる環境の整備が必要になることから、国、地方公共団体、事業主など、様々な主体が社会を挙げて取り組むことを目的として、平成15年7月に次世代育成支援対策推進法が制定された。
国や地方公共団体は、行政機関としての立場から子どもたちの健やかな育成に取り組むのは当然のこと、同時に、一つの事業主としての立場から、自らの職員の子どもたちの健やかな育成についても役割を果たしていく必要があり、次世代育成支援対策推進法では、国や地方公共団体等を「特定事業主」と定め、自らの職員の子どもたちの健やかな育成のための計画(特定事業主行動計画)を策定するよう義務付けられたところである。
本組合では、平成17年3月10日に群馬県市町村総合事務組合特定事業主行動計画を策定し、平成17年4月1日から平成22年3月31日までの5年間を前期計画期間として、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針に掲げられた基本的視点を踏まえつつ、職員が仕事と子育ての両立を図ることができるよう、職員のニーズに即した次世代育成支援対策を計画的かつ着実に推進するため、様々な施策に取り組んできた。
平成22年3月をもって前期計画期間が終了したことから、新たに「群馬県市町村総合事務組合特定事業主行動計画(後期計画)」を策定し、平成22年7月1日から平成27年3月31日までの5年間を計画期間として実施するものである。
後期計画の策定にあたっては、前期計画期間における取組状況を踏まえた内容の見直しを行うとともに、子育てには男女が共に責任を持つべきであり、特に、男性の分担が不可欠であるとの視点からも見直しを行い、男性職員の積極的な育児参加を促進することとした。
この行動計画を推進していくためには、子育て中の職員、管理職員及び周囲の職員一人ひとりがこの計画を自分自身に関わるものととらえ、次代の社会を担う子どもたちを育成する必要性を強く認識し、それぞれの職場で協調して、仕事と子育ての両立支援に取り組むという意識を持つことが最も重要である。
次世代育成支援対策推進法は平成17年度から平成26年度までの10年間の時限法であるが、このプログラムは、その後半の期間である平成22年4月1日から平成27年3月31日までの5年間を計画期間とし、今後概ね3年をめどに見直すものである。
次世代育成支援対策を効果的に推進するため、管理職員、人事担当者等を構成員とした行動計画策定・推進会議を前期計画期間に引続き設置する。
また、次世代育成支援対策に関して、職員に対し、各種情報提供等を実施し、行動計画の内容を周知する。
本計画の実施状況については、各年度ごとに行動計画策定・推進会議において把握し、職員のニーズを踏まえて、その後の対策の実施や計画の見直し等を図りながら、本計画の取り組みを通じた次世代育成支援対策を強化していく。
行動計画の実施にあたっては、職場内において、職員一人ひとりが計画の内容を自らのこととして捉え、日頃から円滑なコミュニケーションを図りながら、子育て中の職員もこれをサポートする周囲の職員もお互いに支え合う関係にあるという意識を醸成し、具体的な取り組みを進めていく。「行動計画」の実施状況は、各年度毎に、管理職、人事担当者等を構成員とした行動計画策定・推進会議において点検する。
その際「行動計画」の内容を変更すべき著しい社会経済情勢等の変化があった場合には、見直し時期の到来を待つことなく、計画を見直すこととする。
仕事と家庭の両立を支援するため、家庭よりも仕事優先、育児は女性がするものという考え方の意識改革、父親の積極的な育児参加の奨励、休業・休暇を取得しやすい環境づくり、働き方の見直しや、多様な働き方の実現に向けて以下の取組を進める。
① 母性保護及び母性健康管理の観点から設けられている特別休暇等の制度について周知徹底を図る。
② 出産費用の給付等の経済的支援措置について周知徹底を図る。
③ 妊娠中の職員の健康や安全に配慮し、業務分担の見直しを行う。
④ 妊娠中の職員に対しては、本人の希望に応じ、時間外勤務を原則として命じないこととする。
子どもの出生時における父親の特別休暇及び年次休暇の取得促進(例:5日間程度)について周知徹底を図り、父親の特別休暇の取得率を、平成21年度までに100%とする。
① 男性職員の育児参加のための休暇制度を設け、男性の育児参加の醸成を図る。
② 育児休業等に関する資料を職員に配布し、制度の周知を図るとともに、特に男性職員の育児休業等の取得促進について周知徹底を図る。
③ 妊娠を申し出た職員に対し、個別に育児休業等の制度・手続について説明を行う。
④ 育児休業の取得の申出があった場合、事例ごとに業務分担の見直しを行う。
⑤ 育児休業中の職員に対して、職場や業務の状況について定期的に情報提供を行う。
⑥ 育児休業中の職員の業務を遂行することが困難なときは、任期付採用及び臨時的任用制度の活用による適切な代替要員の確保を図る。
⑦ 早出・遅出勤務の導入により、保育園送迎等を行う職員に配慮した勤務時間を割り振る。
以上のような取組を通じて、育児休業の取得率を、平成21年度までに男性職員20%、女性職員95%とする。
小学校就学の始期に達するまでの子どもを育てる職員が利用することのできる託児施設を庁舎内に設置することについては、子どもを連れての通勤が容易でないこと、庁舎内への施設設置について物理的・財政的な制約が多いことなどから非常に難しい状況であるので、その代替措置として、職員が居住する付近の保育施設等に関する情報を収集し、情報提供を行う。
① 小学校就学始期に達するまでの子どものいる職員の深夜勤務及び時間外勤務を制限する制度について周知徹底を図る。
② 定時退庁日を設定し、電子メール等による注意喚起を図るとともに、管理職による定時退庁の率先垂範を行う。
③ 会議・打合せについては、極力電子メールを活用し、事務の簡素合理化の推進を図る。
以上のような取組を通じて、各職員の1年間の時間外勤務時間数について、上限目安時間の360時間の達成に努める。
① 職員が年間の年次休暇取得目標日数を設定し、その確実な実行を図る。
② 職員打合せ会等の場において、定期的に休暇の取得促進を徹底させ、職場の意識改革を行う。
③ 安心して職員が年次休暇の取得ができるよう、事務処理において相互応援ができる体制を整備する。
④ 子どもの予防接種実施日や授業参観日、PTA諸行事参加等における年次休暇の取得促進を図る。
⑤ 国民の祝日や夏季休暇とあわせた年次休暇の取得促進を図る。
⑥ ゴールデン・ウィークやお盆期間における行事開催の自粛を行う。
以上のような取組を通じて、年間20日の年次休暇のうち、平均の取得日数を、平成21年度までに16日(80%)以上とする。
⑦ 子どもの看護休暇等の特別休暇を周知するとともに、その取得を希望する職員に対して、100%取得できる雰囲気の醸成を図る。
担当事務換えを命じる場合、当該職員からのヒアリングを実施した上で、子育ての状況に応じた人事上の配慮を行う。
① 職場優先の環境や固定的な性別役割分担意識等の是正についての情報提供や意識啓発を行う。
② セクシュアルハラスメント防止のための情報提供や意識啓発を行う。
交通事故予防について綱紀粛正通知による呼びかけを実施する。
子どもを安全な環境で安心して育てることができるよう、職員居住地域等の自主的な防犯活動や少年非行防止、立ち直り支援の活動等への職員の積極的な参加を支援する。
職員に対し、家庭における子育てやしつけのヒント集等を活用し、家庭教育に関する講座・講演会等の実施や情報の提供を行う。
子どもは、社会の希望、未来の力であり、我が国の宝である。
少子化の流れを変えるためには、子どもを安心して産み育てることのできる社会へと転換していくことが必要であり、社会全体で育児を支え合うためには、家庭や職場、地域社会の協力が必要不可欠である。
職員一人一人が少子化の流れを自分自身の重要な問題と自覚し、群馬県市町村総合事務組合における「仕事と子育ての両立が図られる職場」の実現に協力していただけるものと期待する。