もうすぐ平成16年度を迎えるが、今、町村は、かつて経験したことのないような大変な事態を迎えており、平成16年度は非常に困難な、また、大事な年であると認識している。

一つには、財政問題がある。各町村とも平成16年度予算編成に当たり、恐らく大変な苦労があったのではないかと思う。地方交付税交付金、臨時財政対策債等を含めて、12%減という大幅な減額であり、補助金等の減額も合わせると平均的な町村で4億9千万円程の財源不足が生じていると聞いている。

一方、歳出面を考えてみると、かつて国では、景気対策ということで多くのハード事業等を実施したが、当時の約束では、取敢えず借金で賄っておいてもらい、後に地方交付税でその分の埋め合わせ行うということであったように思う。現在、その返済がピーク時を迎えているが、返済がピークを迎えるということは、地方交付税交付額もピークを迎えていてもよいのではないかという気がするが、現実は、全く逆であり、まさにダブルパンチを喰らっている感じで非常に遣り切れない気持ちで一杯である。

そうした中、全国の町村の中では、平成16年度予算が組めないという町村も出て、全国町村会では、町村財政運営に関する緊急要望というものを提出した。

このように、平成16年度は、非常に財政的に困難な状況に立ち至っている。

 

もう一つの大きな課題としては、市町村合併問題がある。来年の3月で合併特例法の期限が到来するので、まさに平成16年度は、正念場の年である。

県内町村の状況は、既に合併をする方向で努力している町村もあれば、合併の方向は決めても枠組みの関係で大変苦労している町村もあると聞いている。 

しかし、そういった町村長の話を聞いてみると地域住民に対する説明の中で、とにかく財政がこういった状況であるからとても単独ではやっていけない。あるいは、こういった時代背景の中では合併は止むを得ないと、そんな説明が多いようである。一番残念がっているのは、将来に対する夢やビジョンというものを示すことが出来ないのが一番辛いという話も聞いている。

一方で自立する方向で頑張っている町村もある。しかし、これも考えてみると財政の関係が今後一体どうなっていくのか、予測が難しい面もあり、加えて、昨年11月の第27次地方制度調査会の答申も重く圧し掛かって来ている。

なお、この地方制度調査会答申の内容を見てみると、本来的には、地方自治制度の在り方を答申する訳であるから、国、県、市町村の役割、基礎的自治体の在り方をもっと明確にして欲しかったという思いがある。しかし現実は、更に合併を進めるということなので、非常に大変な状況である。

この答申の中で、二つ気になった点がある。一つは、人口1万人未満の明記ということである。何故1万人未満が基礎的自治体として認めることが出来ないのか疑問に思うと同時に、これは絶対に容認できないものである。

もう一つは、県の関与の中で勧告をするという点で、これは、県と市町村との上下関係というものを追認すると考えられ、こういったことは、やはり許されないものである。

この点については、全国町村会では、容認できないという態度を取っており、全国知事会でも反対をするという話を聞いている。何れにしても、この市町村合併問題というのは、非常に大変なことである。

 

何処の町村でも自分たちの住んでいる地域、住民に大変な愛情を注いで、同時に少しでも良くしようということで、一生懸命頑張ってきた。その町村が消滅する。そんな中で、こういった地方の痛みというのを果たして国、国会議員等は、何処まで理解しているのか。市町村がこんな大変な思いをして、合併をして、果たして日本が本当に良くなっていくのか、甚だ疑問である。そんな訳で、昨年同様、宣言、緊急決議を盛り込んだ。国会議員の定数を半減せよと、そういう内容を含めたものであるが、これについては、やはり国会議員等が率先して痛みを同じく分かち合うことによって本当の意味での日本再生が出来るのではないか。あるいは、そうすることによって、今度の市町村合併が意義のあるものになるのではないか。そんな思いを込めた宣言、緊急決議である。

何れにしても、平成16年は、あらゆる面で非常に大変な年となるので、各町村長の皆様には、是非、頑張っていただきたいと、そんな思いで一杯である。

 

(平成16年2月20日 群馬県町村会定期総会)