「群馬自治」連載 パソコン活用法 第9回目 平成13年1月号

  

今世紀の自治体職員の研修作法

梅 村   透

 人の記憶のしくみとして、「短期記憶」と「長期記憶」というものがあります。

 短期記憶というのは、一時記憶です。パソコンで言えばメモリーのようなもので、そのときには頭の中に意識としてあるのですが、電話番号を電話帳で調べたときのように、すぐに忘れてしまう性質があります。

 一方、私たちは、子供の頃から経験したこと、勉強したことなど、多くのことを長期記憶として記憶しています。人は無限に近い長期記憶容量を持っていて、短期記憶としての経験や勉強を繰り返し行ったり、頭の中にイメージすることによって、長期記憶になっていきます。

 ところで、あなたは、前回受講した研修又は講演内容の詳細を覚えていますか。演題、講師の名前や表情、講演内容のポイントについては、記憶にあると思います。それでは、1年前或いは2年前の研修や講演内容のポイントを覚えていますか。1年経っただけでも演題や講師の名前を忘れるほど、人の記憶は危ういものです。

 従来の自治体職員の研修方法は、主に研修所等における講義や講演でしたが、この短期記憶を長期記憶にするための工夫が講師にも受講者にもほとんどありませんでした。

 そこで、短期記憶を長期記憶にするための研修方法の提案ですが、研修所等における講義や講演に臨むに当り、次のことを講師及び受講者が真摯に行うべきではないでしょうか。

<講師の作法>

  • 講義内容の詳細を事前に講師のホームページに掲載し、URLを開催通知にて知らせる。⇒ 能動的な研修になるとともに、いつでもどこでも内容を確認でき、長期記憶となる。

  • 受講者に講義を録音させる。⇒ 受講者が通勤途上等の際に繰り返し聞き、長期記憶となる。

  • 講師のホームページに復習テストを掲載し、メールにて回答を添削するとともに、質疑応答を行う。⇒ 復習と不明点の解消により、長期記憶となる。

<受講者の作法>

  • 講師のホームページにアクセスし、事前に不明点をチェックし、講義や講演に臨む。

  • 講義や講演を録音し、通勤途上等の際に、定期的に聞く。

  • 復習テストに必ず回答し、質問事項はメールで聞く。

 以上のように、職員の問題解決能力の向上を目的とした研修を充実させるためには、短期記憶を長期記憶にするための工夫が必要であり、インターネットの活用が有効となります。

そして、研修内容のホームページへの掲載により主権者である住民が地方自治制度の詳細を知ることができ、「積極的情報公開」という時代の要請にも適います。(群馬県町村会事務局職員)  

 

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