おすすめの一冊 47

TPP反対の大義
農文協ブックレット

 新聞の書籍広告欄に掲載された昨年12月25日のその日のうちに通販サイトのamazonへ注文しました。通常は2〜3日で届きますが、この本が自宅に到着したのはひと月後の1月25日でした。注文が殺到し在庫がなくなり、増刷になったとのこと。「開国か鎖国か」「TPPに参加しないと日本は国際的に取り残される」といった新聞各社の主張に多くの国民が疑問を持ち、その解答を求めたということかもしれません。

 今回のお薦めの一冊は、論集『TPP反対の大義』(農文協ブックレット)です。執筆陣は、政治経済学者、農学者、農家(民主党衆議院議員の石田三示氏を含む。)、作家、生協、漁協、全国町村会長等の総勢26名の方々です。まえがきに「本書はTPP反対の"国民的大義"を明らかにするために編まれた。"大義"とは"人の道"というほどの意味であり、農業・農家保護の問題としてではなく、商工業、消費者を含むすべての国民の問題として、日本社会の存立に関わる問題として論じる。」とあります。

 解答は、アメリカがアジアの団結に楔を打ち込み、主導権を確保する手段として選んだのがTPPであること、やがて来る地球規模での食糧危機の中で、自国民が食べる食糧はその大部分を自国で生産することが世界の常識であるにもかかわらず、日本はTPPに参加して食糧安保及び食糧主権を放棄しようとしていること、TPPの地球環境問題に対する負の影響が計り知れないこと、徳川期の鎖国は生活の質の高さと生活に広く行き渡った美意識において日本を世界でも比類のない文明国にしたこと、さらには土に触ったことがない農業を知らない人が国会、財界、マスコミの多数派になっていること等です。

 我が国は、TPPへの参加をめぐり歴史的に重大な岐路に立っています。それは消費税の引き上げなどよりも重要な国民投票に付すべき問題です。国会議員をはじめ多くの方に本書を読んでいただき、農業という第一次産業の特質をご理解願いたいと存じます。一方、平成の開国論者の皆様には、反論集『TPP参加の大義』の編纂をお願いする次第です。(U)