おすすめの一冊 33

アメリカの新国家戦略が日本を襲う
日高義樹著 徳間書店刊

 経済一流、政治は三流などと浮かれていた時代がありました。
 今振り返れば大切なものを忘れ天に唾していたように思われます。
 時は経て、政治不信の広がる中、7月には参議院議員選挙も行われ、国民の投票行動は2年前の郵政解散の時とは逆の方向に動きました。
 人々は何を願い期待し一票を投じたのでしょうか。
 この選挙結果がこれからの日本にどの様に影響して来るのか気になるところですが、「民、信なくば立たず」の「信」を座右に置く福田総理が誕生し、この課題山積の国政の舵を取ることになりました。
 
本県4人目の宰相が、わが国の歴史に輝くことを祈るのみです。
 

 今回の「おすすめの一冊」は【「アメリカの新国家戦略が日本を襲う」日高義樹著・徳間書店刊・1,400円+税】です。
 美しい国・日本の建設を目指す安倍内閣が発足し1年が過ぎましたが、この間にも政治家や公務員による不祥事や美しさとはかけ離れた酷い事件が多発しました。一言で云えば箍(たが)が外れた社会が進んでいるということになりそうです。

 「北朝鮮との二国間協議は絶対にない」と言っていた米国のその後の対応や中国の対日融和姿勢など、世界の国々はそれぞれの国益を守るには手段を選ぶことなく鎬(しのぎ)を削っているように思われます。
 「国際社会というのは理屈の通らない、暴力のまかり通っている世界であり、国家間に友好関係などなく、あるのは国益であり日本がせっせと注ぎ込んできた経済援助も人道的な外交も日本の安全にとって全く役に立たない。そして日本の安全を守って来たのは日米安保条約による米軍であるということも多くの日本人は気づいていない」また「日米安保条約は米国による日本占領を続けることであった」と指摘します。

 9・11テロ事件以降、米国にとってアジア極東のウェイトは下がり、米国の本土防衛に関心を移さざるを得なくなったとも言われます。
 こうした中、日本は独立国として自らの力で国民の生命や財産そして国益を守って行かなくてはならないのは自明の理であります。
 それにも拘わらず「日本の政治家の多くは権力と保身に走り、金儲けのみを考える物質主義者になっている。今のままでは百年河清を待っても何も変わらない」と著者は慨嘆します。
 「日本いまだ独立せず」(同著)が出版されてから10年。わが国の政治の中に、真の国益を追求した形跡を見ることができたでしょうか。
 本書が提起する「政治の仕組みを変えること」が出来るのか。それは一に国民の政治に対する姿勢にかかっているようにも思われます。(N)