おすすめの一冊K

合併しない宣言の町・矢祭

根本良一・石井一雄 編著 自治体研究会刊

 今年2月に群馬県町村会の定期総会が群馬県市町村会館で開催されました。開会挨拶の中で針ヶ谷会長は、苟子(孔子の弟子)の言葉「着眼大局 着手小局」を引用し、「こうすれば日本が再生できるというきちんとした目標をつくってから、市町村合併を論議すべきである。小さい観点から物事を見ていると大局が分からなくなり、大きな過ちを犯す。(と同時に)小さな積み重ねが必要で、それがやがて大局になる。」と述べ、国により強引に進められている市町村合併について、国が再生ビジョンを明確にしていないことを指摘するとともに、健全な住民自治が健全な国政につながるとの考えを示しました。


 今回のおすすめの一冊は、根本良一氏矢祭町長)・石井一男氏(矢祭町議会議長)編著の『合併しない宣言の町・矢祭です。

 矢祭町がこの宣言により訴えたいことは、地方自治の本旨である「住民自治の実現」及び「矢祭町は今日まで合併を前提とした町づくりを行って来なかった」というごく当たり前のことです。

明るく住みよい生き生きとした地域社会を築きたい、自然に恵まれた美しく健康的な環境を次の世代に引き継ぎたいということは、私たちの共通の願いですが、時代の大きな変化に伴う行政ニーズの多様化、自治体の財政危機を考えれば、そうした理想のまちづくりが、住民の一方的な要求や他人任せ(大都市では公務員任せ)で実現できるものではありません。一人ひとりの住民が、所属する市町村のために何ができるか、主権者としていかに行政に参画できるかという「住民自治の実現」が必須です。

 「住民自治の実現」のためには、針ヶ谷会長や根本町長が主張するように住民の目が届くところで行政が行われることが基本条件です。間近に迫った市町村合併の意思決定の中で最も重視すべき点は、「地方自治の本旨である住民自治を如何にして上質にするか」ではないでしょうか。今、住民及び行政関係者の冷静な判断が求められています。(U)

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