去る9月16日、「市町村合併をともに考える全国リレーシンポジウム2002in群馬」(総務省等主催)が高崎市民文化会館で開催されました。
 シンポジウムのメイン行事であるパネルディスカッションでは、針ヶ谷町村会長の「地方自治には夢や希望が必要」との意見を受けて、評論家の俵萠子氏は、「合併は結婚と似ている」とした上で、「初めに金(財政)ありきで考えるのでは夢がない。夢がないと結婚(合併)できない」と述べ、将来のビジョンについて議論する必要性を強調しました。
 針ヶ谷町村会長が述べた市町村合併に関する意見の概要は、次のとおりです。

市町村合併を否定していない
 群馬県町村会は、市町村合併を否定していない。市町村合併は、市町村住民が議論を重ね自主的に判断すべきものであるが、期限を設定した強制や誘導が行われており、多くの町村が戸惑いを感じている。

【「地方分権」が「市町村合併」に】
 地方分権一括法の施行により、市町村への権限移譲が進むものと期待していたが、権限移譲及び税財源移譲が進まないうちに「地方分権」が「市町村合併」にすり変わってしまった。

【夢や希望が重要】
 それぞれの町村には、歴史的背景とともに夢や希望があり、総合計画という形で具体化し、それに沿い計画的に行政を進めている。
 市町村合併においては、対等合併であれば夢や希望を含めた総合計画が継続されるが、吸収合併の場合には、吸収される町村は「周辺部」になるので、総合計画の実現が難しくなるのではないか。

【「国のかたち」の議論を】
 今、国民が一番待ち望んでいるのは国の方向性、「国のかたち」である。人は、夢や希望があれば多少辛いことがあっても耐えられる。合併議論と同時に国、都道府県及び市町村の役割を整理し、無駄をなくすことが重要であり、「国のかたち」の議論が並行して行われるべきである。

【住民自治が重要】
 国・地方を通ずる財政危機の中で、団体自治の観点からの効率性の議論も必要であるが、住民あっての地方自治であり、住民自治をいかに上質にするかということが重要である。自治体の規模が大きくなり、住民と行政の距離が遠くなることは、地方自治にとって危惧すべきことである。
 最近、企業の合併も含めて総ての組織が大きくなる傾向にある。大きくなったが故に顧客や消費者、地域の人々が忘れ去られている傾向にある。農協も同様で、最近、県内各地で農協の合併が行われている。合併以前は農協で種や肥料を購入するため、農家の方が集い、農協職員との情報交換が頻繁に行われていたが、合併後は支所になり、顔馴染みの農協職員も異動になった。事務処理は合理化されたが、コミュニティとしての農協の機能が低下した。市町村合併についても、同様のことが言える。

【県の補完的役割等】
 小規模町村が処理する事務のうち、県が行った方が合理的なものがあるので、小規模町村に対する県の補完的役割に期待している。(ただし、町村の選択性、話し合いのうえ。)
 なお、最近の地方制度調査会における小規模町村の法人格に関する議論には、乱暴なものがあり、見過すことはできない。
 さらに、市町村合併の先に控えている道州制の議論については、住民から行政の距離が遠くなり、受益と負担の関係が不明確になるとともに、住民の自治意識の低下を招くので、反対である。  

(報告:群馬県町村会事務局 総務課 梅村)