学 校 を 無 法 か ら 守 ろ う

鬼石町長  関 口 茂 樹      

 校内暴力発生は11.4%増で過去最悪

 このほど文部科学省は、校内暴力の調査結果を発表した。
 全国の公立小、中、高校で平成12年度に発生した校内暴力は34,595件に上り、前年度より11.4%増加して過去最悪となった(日経8月25日)。中でも対教師暴力が全体の16.5%を占め、前年比16.8%と急増し、「キレる」「むかつく」で教師や友達を殴ったり、学校の備品や施設を理由もなく破壊するなど、教育現場の無法ぶりには驚くばかりである。
 また、校内暴力は中学校で27,293件発生し、全体の78.9%を占め、中学校で圧倒的に起きていることも明らかになった。これらは、公になった数字であって氷山の一角であるにちがいない。

 時には威圧的、挑発的で異様

 暴力行為に至らなくとも、授業中平然と教室を抜け出して自転車を乗り回したり、あたりを徘徊するなど、勝手気ままにふるまう中学生の姿は、時には威圧的、挑発的で異様である。
 自己中心的で自制心に欠け、傍若無人にふるまうしか自分を表現できない生徒の心の中はいかばかりか。少しでも良くしてやろう、良くなって欲しいと祈る気持ちで学校へ送り出す親の心中はどのようか、とつい考えてしまう。
 今や校内暴力は濃密な人間関係が残る山村地域を除いて、全国どこにでも起こりうる社会現象となってしまった。

 幼児期の大切さ、スキンシップは不可欠

 先日、心理学の専門家を招いて子育て講演会を開催した。講師は「6歳までの幼児期に親子のスキンシップを十分に保つことが子育てには何より重要だ。スキンシップに欠ける子供が、中学2年の夏休みが終わる頃、問題行動に走ってしまう。親は子育てに手を抜かず、幼児期に親子の信頼関係をしっかり築いて欲しい」と幼児期の大切さを力説した。

 人間関係の希薄化を招きやすい情報社会

 校内暴力をひき起こした生徒の大半は、家庭に問題を抱えていることを考えると、簡単には生徒を責めるわけにはいかない。加えて現代の日本は、人間の欲望を限りなくふくらませる消費社会であり、閉じこもりを可能にし人間関係の希薄化を招きやすい情報社会である。そして少子化が進んで青少年をとりまく環境は益々難しくなっている。
 とは言え、中学校を中心に日常的に発生する校内暴力などの問題行動を、このまま放置する訳にはいかない。
 学校は学びの場である。幼児のための施設のように、楽しく元気に遊んですごす所ではない。学ぶことには苦痛が伴うが、これは当たり前のこと。学ぶ気持ちのない者がやって来て、他の生徒に迷惑をかけながらいたずらに時間をすごす場所では断じてない。

 勉強の場にふさわしいルールで無気力感を払拭

 学校は勉学の場にふさわしいルールを持っている。ルールを守らせ、違反者にはしっかりペナルティーを課す。登校拒否も当然しなくてはならない。真面目に努力する大多数の生徒を、問題行動の悪弊から断固として守り、校内に明るさを取り戻し、無気力感を払拭しなければならない。
 教育は親にとっても、地域住民にとっても身近で、最も関心をもつ問題である。しかしながら、親が頼りとする教師の人事には、県教育委員会が行う結果、地元の意向は反映されにくい。

 分権が必要な分野は何も一般行政に限らない

 地方分権一括法が施行され、分権時代が始まった今、地域に最も身近な問題の一つが教育であると考えるならば、教育の分権は避けて通れないと思う。自分たちの子弟を立派に育てるにはどうしたらよいか、生徒指導に上手な先生は誰だろうか、部活に熱心な先生を採用しようではないか等々、人事権の移譲を受けて地元は教育問題にさらに力が入るであろう。分権が必要な分野は、何も一般行政に限るものではあるまい。

(広報『群馬自治』平成13年10月号掲載)