絆を深め村の活力に

-住民の福祉の向上に邁進・努力-

片品長 星 野 賢 二    

 片品村は、県の東北端に位置し、新潟県・福島県・栃木県に接し392平方qの面積を有し、その91%を森林が占め、観光と農業が主産業の村であります。特に尾瀬は特別保護地区で特別天然記念物に指定をされております。自然偉大な恵みによって生まれた高層湿原や至仏山など美しいだけでなく、学術的にも極めて価値の高い貴重な植物が生育しております。この貴重な尾瀬の自然は、祖先から受け継いだ共有の遺産を国民の宝として大切に保護し、後世に伝えることが私たちの責務であると思い対応しています。

 地方自治体を取り巻く環境は大きく変化するとともに厳しく先行き不安定な時期にあます。片品村も市町村合併につきましては、昨年10月に合併の意思を問う住民投票条例が制定されまして投票を実施した結果、反対多数で合併をしないで「自主自立」を選択いたしました。地方自治体の状況を考えると大変厳しい選択でありますが、村民とともに痛みをこらえて厳しい道を進むことが使命であると考えて、これからのむらづくりに三つの目標を考えています。

 一つ目は、「安心して暮らせる村民生活」です。潤いのある生活環境をつくるため、生活・文化・福祉環境を充実させ、一芸に秀でた人材の活用や子育て支援の拡大に努め、文化活動の活発化を図り住民活動に活力を与える。

 二つ目は、「自然を生かした地域産業の発展」です。自然資源を活用し四季を通じての振興対策は過疎の山村ではなかなか厳しい状況にありますが、自然景観など全国に誇れるものがたくさんあります。各種団体等と連携を図り、この地域に根ざした振興策を考えていきたい。

 三つ目は、「村民とともに進めるむらづくり」です。これからは益々地域づくりが重要になると思います。住民自治組織の活動を活発化させ、それを行政が支援できることが大切であると思います。

 現在、片品村は「小さな自治」の取組を進めています。村内8行政区に役場職員の地域担当制を決めて、地域と行政が連携をして計画作成に向けて進めています。真の地方分権型社会を実現するために、中央依存型の画一的な行政から、住民一人ひとりの相貌が見え、温もりが感じられる地域を創造していく行政への転換が求められています。

 私たちが目指すべき地域社会は、住民一人ひとりが人間的尊厳を保ち、自律的に判断し、意欲を持って行動する社会であると考えています。群馬県の地域社会には、固有の歴史や伝統文化などを礎として成り立ってきた温もりある集落や自立的に実践されている小さな自治活動が存在しています。こうした集落の活動力を将来にわたって維持し、住民の絆を深め、新たなる人間的な絆を創出していくことが市町村の活力となり、ひいては群馬県の活力に繋がるものと考えています。

 こうした観点から地域住民の役割は自立的な地域社会において、個人が出来ることは個人自らが自助努力で行い、個人では出来ないことは家族や地域の取組で共助しながら解決を図り、それでも解決できない問題は行政が担う公助が基本だと考えております。住民はサービスの受け手であるのみならず、行政と協働しながらサービスの提供や地域づくりの担い手として主体的に活動し、住民自治の拡充に向けて積極的に取り組んでいくことが期待されています。

 また、行政として住民の目線に立った行政サービスや地域づくりを進めていくためには、施策はできる限り住民の身近なところで行うことが求められています。このため、住民に最も身近な市町村こそ、地方分権を担う中核と位置付けられます。市町村は、住民生活や地域に密着した行政を総合的に担うべき最も身近な政府として、自己決定・自己責任の原則に基づき、地域のあり方について住民の意見を反映しながら、住民の監視の下に自立的な行政運営を行うことが期待されています。

 しかし、このような村づくりを進めるためには、いくつかの課題を乗り越えなくてはなりません。国においての三位一体改革や地方交付税制度が財政力の弱い自治体へどのような改革の姿を示すのかが見えてこない中で、経費削減は避けられない問題であります。

 片品村では、4月からは庁内機構改革を実施して2課削減して行政のスリム化・効率化を図り、良質な行政サービスに努めるとともに、事業についても当初の目的が達成された事業、情勢の変化により目的の必要性が薄れた事業、効果が薄れたものや類似の事業の統合化などの見直しを行い、各種団体の体質改善や補助金の必要性や適正化を判断して効果のある制度改革を推進し、住民サービスについても国・県の補助金や負担金を受けて実施した事業も補助金等の削減により単独事業として継続している事業なども含め住民から見て重要性・必要性などをさらに検討・見直しを図り、真の地方行政のあり方を考えた取組をしなければならないと考えています。

 こうしたことを実現することにより片品村の将来が開けてくるものと信じて、住民の福祉向上に邁進、努力をしているところであります。

(広報『群馬自治』平成17年4月号掲載)