ジ オ パ ー ク

下仁田町 下山 光一

小学生の時、群馬の民話か何かの本で、『稲含山の神様と榛名山の神様が喧嘩をし、榛名山の神様が投げた土が現在の稲含山の麓の山になっている』という話(詳細は違っているかもしれませんが、こんなニュアンス)を訳も分からず読み、中学の地理の時間、先生が、「中学校の前の山は『根なし山』って言って、もとからそこにあったとは思えない、世界でも珍しい構造の山なんだ」という説明を聞いて、あの話はこの事だったのか、と思ったのが、『下仁田ジオパーク』に触れた最初の記憶かと思います。
 時は流れて20数年。日本ジオパーク認定を得て、更には世界ジオパーク認定を目指すという事で、下仁田は地質学的にすごい場所であるという事を再認識することになりました。
 我が町下仁田は、現在『世界遺産』と『世界ジオパーク』の2つの世界を冠する事業登録・認定に向かって着々と突き進んでいます。

 皆さんご存知のユネスコ世界遺産登録候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」のうち、下仁田には、絹産業発展に大きな役割を果たした、下仁田ジオパーク構成群の一つでもある「荒船風穴」が存在しています。荒船風穴は富士の風穴みたいに人が潜って中を見られるようなものではなく、3つある蚕種の貯蔵施設跡の事を指しており、下仁田でも神津牧場の下という高所にあるわけですが、外気温が30度くらいあっても、石積みの隙間から1.6度とエアコン真っ青の冷気が吹き出すので、施設内部に長時間いると体が冷え切ってしまいます。真夏に訪れれば、より一層この自然現象を体感できると思います。
 同じジオパークである昭和新山や、ヒスイで有名な糸魚川に比べると下仁田ジオパークは見た目が地味に思えますが、ダイナミックなものだけが、素晴らしいわけではありません。人と同じで、地味な中にも誇れるものがあるのです。
 皆さんも、是非下仁田に訪れ、地味ながらも地質の不思議を感じられるジオパークを鑑賞してみてください。

(広報『群馬自治』平成25年10月号掲載)