見慣れた景色から

下仁田町 林   光 一

高崎駅0番線ホームから上信電鉄上信線に乗り約1時間。「次は、終点下仁田ー」千平駅を過ぎるとそれまでの田園風景からは一変し、山間を縫うように車両が悲鳴を上げる程の急カーブを電車は進みます。しばらくし、上信電鉄唯一のトンネルを抜けると一気に景色は開け、電車は水を得た魚のように最後の直線をラストスパート!そして下仁田市街地に突入すると間もなく下仁田駅に到着です。
 時間にして7分程度ですが、この「急カーブ〜トンネル〜ラストスパート〜下仁田市街地〜終着駅」の揺れ・音・風景はなかなか他では味わうことができないのでは?と思うほどノスタルジックで大好きです。
 下仁田市街地は駅周辺半径約500メートルの範囲内に「過密」かと思われるほど昭和を感じさせる建物が立ち並び、日本ジオパークに認定された「下仁田ジオパーク」の象徴であるクリッペの山々を一望することができます。
 下仁田に生まれ育った人は皆、子どもの頃からこの地域は「地質の宝庫」であると聞かされてはいますが、この見慣れた風景に特別な思いがあった人はそう多く無かったと感じます。私もその一人ですが、ジオパーク認定され改めて特別な地域であることを認識させられました。

 人々は便利な生活を求め都会へと移住し、下仁田町に限らず山村の多くは人口流出による過疎化に悩まされています。
 しかし、都会には人間が作った「便利さ」があるように、山村には「自然」という人間の手には作ることの出来ない強みがあります。都会のマネをしても勝ち目はありませんが、都会には作り出すことの出来ない「自然」を活用した町づくりを進めていけば活路は見い出せると思います。
 「下仁田ネギ」「こんにゃく」「下仁田ジオパーク」「妙義山」「荒船山」「神津牧場」「下仁田駅」etc.これほど自然・観光資源が揃っている地域はそう多くはないと思っています。
 自然を感じられる町「下仁田」へお越し下さい。その時は「上信の7分間」をぜひ体験してみて下さい。

(広報『群馬自治』平成24年4月号掲載)