職 員 の 立 ち 位 置

吉岡町 高田 栄二

ここ数年、テレビのトーク番組などで「雛段芸人」と呼ばれる人たちが活躍しています。画面の後ろの方に並んで座っている、その他大勢として出演して色々面白おかしく番組を盛り上げている人たちです。当然メインの司会者もいるわけですが、いまやバラエティー番組などでは欠くことのできない存在です。
 そんな彼らの中で印象に残ることを言っている人がいました。彼がテレビに出る目的は、「視聴者に面白おかしく商品情報について伝えること」であり、「詳しい知識を伝えることが目的なら、量販店の店員さんをひな壇に座らせて番組を作ればいい」という立場で臨んでいるということです。そして、「それでは番組はつまらなくなってしまい、一時間持たないだろう」と言いきっていることです。さらに、「テレビで話すときに重要なのは、知識の量よりも引き出しの選び方です」という言葉で結んでいます。

 ところで、住民対応の現場で、職員が窓口や会議の席で質問を受けたとき、質問の趣旨

とは違う余分なことを延々と話して、話をこじらせている場面を目にすることがあります。町村職員も雛壇芸人のように、与えられた立場で、住民の皆さんの求めに応じて回答すればいいのではないでしょうか。
 私事で恐縮ですが、会議で説明している最中に、「知識の披露ならよそでやってくれ」とか、「この場で発言できる内容か」といわれ、会議を中断せざるを得なくなったことがありました。だからといって、相手もこちらの事情を全部知っている訳ではありませんし、何でも相手の求めるままにすればいい訳ではないと思います。ただ私には、一度に説明したら難しいようであれば数回に分けるとか、相手の事情に想像力を働かせるという、「雛壇芸人」の工夫がなかったということです。
 難しい事を分かりやすく説明する。テレビを見ながら改めて職員としての立ち位置を考えさせられました。

(広報『群馬自治』平成24年1月号掲載)