山  行  き

榛東村 堀 内 礼 子

春先の暖かい風を感じるとき、なぜか心うきうきとする思いが込み上げてくるのは私だけでしょうか?
 草花や木々の芽吹きと、春を待った雪解けの山々が私に語りかけているように感じます。そろそろ山行きの季節到来です。もちろん冬山の素晴らしさは十分理解できますが、テレビ等のニュースで不幸な事故が報道されるとどうしても冬山には挑戦できません。
 5月の連休に白馬岳に登ったときことです。5月でもすっぽりと雪に覆われた白馬岳は美しい姿で私たちを待っていました。早速、山頂めざし大雪渓へと出発しました。ところがだんだん空模様が怪しくなり、何とか無事に登頂できましたが、翌日は猛吹雪です。1メートル先も見えず、横なぐりの風と雪の中、一歩一歩しっかりとピッケルを使いながら下山しました。滑落して怪我を負い、ヘリコプターの救助を待っている登山者を目の当たりにしたとき、一瞬にして変わる山の天気の恐ろしさと雪山の厳しさを思い知らされました。

 今までで一番印象に残っている山は2泊3日の福島県飯豊連峰です。山深く、険しい飯豊連峰は2回目の計画でやっと登ることができました。この時も、初日は雨になり一日中、雨に打たれながら黙々と山小屋へ向かって登り続けました。でも、辛さの後に感動がありました。一夜明けた翌日、朝日が雲海を真っ赤に染めながら昇りはじめました。それはそれは美しく、別世界のようです。「きれい!きれい!」の連呼です。他に言葉が見つかりません。この素晴らしい感動があるから山行きはやめられません。稜線上は穏やかで、きらきら光る残雪と、可憐な花が咲き乱れるお花畑が広がり、私たちを山頂へと迎えてくれました。今までの疲れもどこへやらです。
 今年はどこへ行こう・・・。もちろん、尾瀬には行くことになっています。群馬自治の表紙を飾っている「尾瀬」の写真は毎回楽しみにしています。

(広報『群馬自治』平成21年4月号掲載)