そ ば の 花 〜 食 の 安 全 〜

みなかみ町 増 田  実 雄

みなかみ町・沼田市・川場村・昭和村を結ぶ広域的道路であり、農業振興はもとより、観光など多面的な利用に期待が寄せられている利根沼田望郷ラインの三峰トンネル近辺のみなかみ町後閑地区は、9月になると見渡す限りの広大な土地一面にそばの花が白いジュータンのように咲き乱れます。
 この地区の「そば大好き人」の農地所有者数名が集まり、この農地に新しい命を吹き込もうとそば組合を結成しました。私はそばについて何の経験もありませんでしたが、仲間に誘われるがままに、そば作りに一から取り組んでみようとこの仲間に入りました。自分で初めて蒔いた種が広大な土地一面に花を咲かせた時の綺麗さに感動し、言葉にならないほどうれしくなりました。土に触れ、仲間たちと新しいことにチャレンジすることは、本当に素晴らしいことだと感じられました。
 そばは、8月初旬に種を蒔いてから3、4日すると発芽した芽が成長し、2週間後には畑一面が薄いグリーン色の溢れんばかりのそばの芽の大群に覆われます。この素晴らしい生命力には圧倒されます。9月中旬頃には、見渡す限り一面の白い花に埋もれます。秋になり実を結び、それを収穫し、栽培している仲間、土地の所有者、また近隣の人たちと新そばの味を楽しみます。今では、そば打ちの腕もかなり上達し、そばつゆにまでこだわりを持ち、各地から良かれと思うものを調達して「かえし」(これを出汁で割ってそばつゆを作る。)なども作るまでになりました。

 仲間内では、本格的なそば店への展開を模索し始めています。このような中で、安全な食材の生産と安定供給、みなかみ町産へのこだわり・誇りを持つということを強く感じるようになりました。また、食の安全を考えるとき、これほど確かで安全な食材は他にないのではないかと思います。群馬県でも取り組んでいる食の安全や食育にも繋がるのではないでしょうか。
 今年も利根沼田望郷ライン沿いに白い可憐なそばの花が咲くと思います。是非、皆さん『森を育み生命を運ぶ、利根川源流の町「みなかみ町」』においでください。

(広報『群馬自治』平成19年7月号掲載)