街 の 景 色 に な る

吉井町 三 木 善 己

全国のどこの地方へ行っても、多くの街が「シャッター通り」となっている。そこに暮らす人は、不便さと寂しさでやりきれない思いかもしれない。
 なぜそうなっているかは、多くの人が知っている。郊外に流通集積が進み、郊外に人の流れが移ってしまった。後継者不足を含め、既存市街地にそれを引き止めておく力がないためである。しかし、便利なような郊外でも不採算店の撤収があったりして、安閑とはしていられない。
 特に群馬県人は、新しいものが好き。車が好き。ほとんど郊外志向である。
 全国的には、街中に多くの人が歩いていて、夜遅くまで喧騒につつまれている街がある。たまに旅行で訪れるととても魅力的だ。店の灯りや並び方、人々の息遣いなど、妖しい部分と文化的な部分が上手く交錯している。培ってきた歴史さえも嗅ぎとることができる。仲間と歩く。彼女と歩く。一人で歩く。路地を曲がるとどんな景色が広がるのだろう。とてもワクワクする。

 郊外の大型店へ行って、ワンストップショッピングも便利でいいけれど、なぜか乾いたものを感じてしまう。やはり都市の魅力は街中にある。最近、街の魅力を見直す動きが多くのところで始まっており、好ましい傾向である。
 一人の力では、街中回生などとてもできないが、たまには電車で街へ出てみよう。駐車場を考えなくていい。酒だって飲める。自分が街の点景になりきれるかもしれない。
 だけど県内の多くの街は、そんな街を愛する私の気持ちを満たしてくれるレベルに達していない。言い過ぎだろうか。

(広報『群馬自治』平成18年4月号掲載)