自 分 の 英 語

榛 東 村      中 島    由 美 子

 バングラデシュ・中国・インド・パラオ・トルコのレディとチームを組み、「ITリテラシー」を身につけ、自国でリーダー的役割を担う為の研修とプレゼンテーションの機会に恵まれた。別のチームも含めて日本人5人、他21ヵ国、26人の発展途上国の母国語が英語でないメンバーが英語を公用語として一週間の研修に入った。
 それぞれの英語らしきものは、母国のリズムで話され、よく聞いていないと英語だと思えない時もある。文法優先の受験英語で育てられた者としては、それらのイントネーションには閉口したが、同じような堅い表現のセンテンスには助けられた。
 プレゼンの日が近づき、お国の女性官僚や、大学教授、NGOのトップなどがひしめくメンバーは、私にコンクルージョンを行えと言う。「とんでもない、私の英語では、みなさんのまとめにならない。」と固辞したが、開催国でもあり、経済大国である、日本(人)がやるべきと言われた気がした。

 私の原稿を欧米英語に一番近いと感じたトルコのレディに見てもらった。当日、同時通訳のイヤフォンを付けている観客もこちらを見つめている、他のメンバーのプレゼンも私のプレゼンも同じ日本語になったらしい。 
 この一週間、圧倒的に見せつけられたのは、どの国の人も「自分の英語が一番」、「自分の意思を伝える手段がたまたま英語」だという観念である。それは地続きの隣国を持ち、国際社会の中の自国を認識すると英語は特別の言葉ではないのかもしれない。
 島国で、日本語だけで用が足り、「以心伝心」の言葉もある。しかし、シドニーオリンピックの柔道競技では、日本の「以心」は伝えられなかった。
 今や、情報が瞬時に国境を越えるインターネットの時代。みなさんも「意思を伝える手段がたまたま英語」の気持ちで、「自分の英語」を使ってみませんか。
 (広報『群馬自治』平成14年10月号掲載)