雪  合  戦

水 上 町  高  橋  圭  吾

「雪合戦」、水上町に限らず雪の降る地方では、子供の頃から慣れ親しんできた言葉である。誰だって積もった雪を手にすれば、自然と握り固め投げたくなる。標的は勿論「ひと」、投げたら最後、その瞬間から無差別な攻防が始まる。いつになったら終わるのか知れぬまま夢中になってしまい、集中攻撃を受けた子が泣き出すまで、その攻防は続く…。「雪合戦」と聞いて、こんな光景を思い浮かべるのは、私だけではないだろう。雪合戦に限らず、幼い頃の無邪気さや無我夢中で熱中したものを、今でも心のどこかで模索し、懐かしさを引きずりながら、日々変わっていく自分に落胆し、生活を送っている人は多いと思う。
 そんな幼い頃の思い出を心に留めておくことだけでは納得できない人達が考え出したのが、競技として行う「雪合戦」である。発祥の地は北海道壮瞥町、日本雪合戦連盟はここに存在し、水上町では、その指導のもと群馬県雪合戦連盟を運営している。
 この「雪合戦」とは、1チーム7人で構成さ
れた2チームがコート内で戦い、相手チーム全員に雪玉を当てるか、相手チームの旗を抜くことで勝敗が決まる。その他細かなルールはあるが、比較的単純な競技で、北海道では既に知られているが、その他全国各地では、現在、各連盟を通じ普及を図っている段階である。

 実際、競技に参加している人達の表情はとても面白い。最初は、幼い頃のようにただ楽しもうという意識が前面に出ているが、回数をこなすごとに、それは変貌を遂げる。気軽に参加できるという反面、単純な競技だがその戦法は様々で、「勝つためには…」と、 いつの間にか真剣になっている自分に気付かないくらい夢中になってしまう。それが、この「雪合戦」である。
 幼い頃から持っている無邪気な遊び心と、競技に対する真剣味とをうまく兼ね備えた「雪合戦」。水上町をはじめ、全国で大会が行われているので、是非一度大会に参加し、競技として行う「雪合戦」の楽しさを体験して欲しい。
(広報『群馬自治』平成12年1月号掲載)